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…俺は今まで、何かを“欲しい”と想った事何て無い…
別に、何もいらない…今有る物で充分だったはず、なのに…
あ、1っこだけあった…俺の“欲しい物”
…ん、でもそれは、自分の力で手に入る…
今、俺の部屋中に有る、コレクションしてる食玩は、欲しいと思ったらすぐに手に入る。
まぁ、ちょっと外に出て買いに行くのが面倒なだけで…
でも、多分、生まれて初めて“欲しい”と想った物ソレは、
この先絶対、俺の手には入らない…
…だって、アンタは…亜輝は、翔さんのモノだから…
俺だってちゃんと、分かってる。
アンタは翔さんのコトが好きで、それから、翔さんもアンタのコトが好きで…
翔さんは、こう…口うるさいし、兄貴って言うよりも、えっと、その、世話焼きオカン…?みたいな感じで…
でも、俺はそんな翔さんでも、スゴイなって思って、絶対口には出さないけどでも尊敬してるし、
俺のコトも、ちゃんと気遣ってくれて面倒見てくれて、正直感謝してるんだ…
…だから、アンタのコトを、翔さんから奪いたい、とかは想わない…
でも、“欲しい”…やっぱり、イラナイ…でも、“欲しい”
…んん…何かもう、考えるのが、面倒くさくなって来た…
もしも1つだけ、変わらないモノが有るとしたなら…
今だに俺は、あんまりよく、こう…好きだとか言う気持ちが分かんないけどそれでも、
俺は、アンタの微笑(わら)った顔は、何か、好き、だよ…?
でも、アンタが幸せそうに嬉しそうに微笑むその先には、いつも翔さんが居て…
だから、俺は、きっとその笑顔を見られるだけで良いのかも知れない…
ん…そうだな…俺が“欲しい”と想う物ソレは、
“アンタの心からの笑顔”だから、きっと…
アンタは…亜輝は、ずっと翔さんと一緒に隣でいつも、優しく微笑(わら)っていてくれさえすれば、
俺は、それ以上に“欲しい”物とか…望む事等、何も無い…
**Hope Smile**
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